オキナワモズク産業の科学的発展を目指します。

オキナワモズク・フコイダン研究会

第1回 オキナワモズク・フコイダン研究会 ご挨拶

Greeting

オキナワモズク・フコイダン研究会実行委員会
実行委員長 長嶺竹明(群馬大学 名誉教授)

 この度、第1回オキナワモズク・フコイダン研究会を平成28年11月25日(金)に、沖縄県 中頭郡北谷町美浜のヒルトン沖縄北谷リゾートで開催させていただくことになり、たいへん光栄でございます。

オキナワモズク(Cladosiphon okamuranus)は鹿児島県奄美大島を北限、沖縄県の八重山諸島を南限とする南西諸島固有種の食用海藻であります。オキナワモズクは1970年代に沖縄県水産試験場によって栽培技術が開発され、その後、沖縄県内の各漁協に普及し、現在では年間生産 量約2万トン、全国生産量の9割以上を占める沖縄県の主力水産物となっています。

モズクフコイダンの構造は1999年、長岡らによって、フコースのα-1,3結合を基本にフコースの4位炭素の約60%に硫酸基が結合、フコース6分子に1個の割合でグルクロン酸がα-1,2結合すると決定されました。構造決定が契機となって、モズクフコイダンの生理活性の研究は急速な展開をみせてきました。

モズクフコイダンはこれまでに、抗腫瘍効果、抗血液凝固活性、コレステロール低下作用、ヘリコバクター・ピロリ菌定着阻害作用、機能性胃腸症改善効果、HTLV-1 プロウィルス量減少、抗C型肝炎ウイルス作用などの報告がされています。また、フコイダンの吸収に関する研究も進み、これまで吸収されないと考えられていたフコイダンが、腸管上皮から吸収されることが我々のin Vitro、in Vivoの実験で証明されました。

このように、モズクフコイダンの新しい知見が続々と報告されていますが、各研究者の専門領域に限定した研究が行われているのが現状であろうと思います。そこで、モズクフコイダンの現況と将来に関する、生物的、化学的な視点から学際的な研究会を開催することは、まさにタイム リーであろうと考えます。本研究会のもたらす成果が、沖縄県の主要水産物であるオキナワモズク産業の発展に寄与することを祈念いたしております。

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